SGT Rd.09 RACE REPORT by 光貞秀俊選手

2007年11月2~4日 富士スピードウェイ(静岡県)

季節はすっかり秋になり、今年のスーパーGTもいよいよ最終戦を迎えました。

しかもGT100レース目という節目のレースでもありました。

我々は今年様々な事をチーム一丸となることで乗り越え、
そして万全の体制で富士スピードウェイに入りました。

フリー走行

フリー走行は前日までの雨であまりコースコンディションが良くありませんでした。そんな中、用意していた空力パーツなどを試し順調にプログラムをこなしていきました。


具体的に言うと、フロント周りのモディファイです。

前回レースのオートポリスからそのトライを始めていたんですが、具体的に言うとラジエターを通る風の制御です。というのも車はラジエターというものはなくてはならないものなんですが、しかし空気抵抗が大きく出来れば小さい方が良い。だけど小さ過ぎたりボディ形状が悪く風があまり当たらないとエンジンの熱が上がりすぎてパワーが出ない・・・。


一口で言うと、いかに上手く風邪を当てるかがポイントとなります。

その効率を上げれば、ラジエターに導く空気を少なくすることができ、結果、車全体の空気抵抗を減らせるメリットが出る訳ですね。

詳細部分はチームの企業秘密な部分なので細かくは説明できませんが、その効果は確実にあり、ストレートスピードはとても速くなりました。


そうなるともちろんラップタイムも速くなると期待していたんですが、何故かタイムがあまり速くありませんでした。

原因はコーナーでのグリップ不足です。


先にも書きましたが、今回は万全の体制のハズでした。

ここ数レースで蓄積したデータが、エンジニア達の更なる分析により、「生きたデータ」になっていたからです。

しかしフリー走行中、状況に応じあらゆるセッティング&ドライビングをトライしたんですが不思議なくらい上手く当てはまりません。

走行後、少々悩みました。


何故だろう・・・。


そこで僕はいくつかのライバルチームに行き、情報収集をしてみました。

すると、我々と同じ問題を抱えていたチームがいたのです。

そのライバルもストレートは速いんだけどコーナーでのグリップが足りてなかったというのです。


ただそこには、決定的な違いがありました。

対策をする時間が彼らにはあったのです。それを悩んでいたのは一ヶ月前に行われた僕たちの走っていない合同テストでの事だったのです。しかもその時点でほぼ問題点を発見しレースまでに対策をしてきたらしいのです。


狙った車のコンセプトは僕たちと同じだったのですが、アプローチが全く違いました。彼らは失敗出来る時間を作り成功を見い出していた。僕たちは成功しなければならなかった。


それが裏目に出た訳ですね。


彼らは、精度の違う「万全体制」だった訳ですね。この時ばかりはテストの重要性を思い知らされました。

そしてその夜、遅くまでエンジニアとミーティングになったことは言うまでもありません。

予選

前日の問題点を可能な限り考えつくし、僕たちは全力で予選に挑みました。やれることはすべてです。


マシンのセッティングはもちろん、自分のドライビングスタイルまで変えました。しかし、順位はフリー走行より少し上がったに留まり、とても納得のいく順位ではありませんでした。


もちろん前日よりは少しずつ良くなってきていたので、頭を切り替え何が僕たちの問題に効果的なのかを見極める事に残りの時間を費やしました。

決勝

前日までの肌寒い天気とはうってかわり決勝日は暖かく絶好のレース日和でした。

そしてレースがスタート。

泣いても笑ってもこれが今年最後のレースです。


琢弥さんと僕は悔いのない走りをしようと誓いあっていました。

琢弥さんは得意のスタートで前を行く数台をパスしたものの、本来のスピードでは走れず我慢を強いられます。その後、僕たちはピットストップをうまく使い順位を上げることに成功。そしてなんとか10位フィニッシュでポイントを取り最終戦を終えました。


最後に…

無事にレースを終え、ポイントも取り内容は悪くなかったんですが、できれば今回のレポートで僕はこう書きたかった。


「ありがとう、勝ちました」


その一言でした。


きっとみなさんも、それを一番に聞けると待ってくれていたでしょう。


ただ、ほとんどの人がこの内容を読んで気付いたと思います。


勝てなくて残念と言うことは、僕たちはもうその位置まで来てるんです。

もし今回、例え表彰台に上がっていたとしても結果「残念」となっていたでしょう。

そういう事なんです。

シーズンは終わり、もう今は来期の契約の話が進んでいます。


僕の願いはただひとつ。

皆何も変わらず、

そして皆と共に俺は泣きたい。



今シーズン、僕たちを応援して下さったスポンサーの方々、ファンの皆様、本当にありがとうございます。

スタッフのみんなも本当に頑張ってくれてありがとう。


しかし僕の力があと一歩及ばず期待に応えれなかったことに申し訳ない気持で一杯です。


この悔しさを胸に秘め、来シーズンを挑みたいと思っています。


光貞 秀俊


リザルト

#110 黒澤 琢弥/光貞 秀俊 予選20位/決勝10位
#112 Guts 城内/小泉 洋史 予選24位/決勝19位